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私の中に打ち込まれた死を望む意志は消えることはなく、人生の最
長い間夢を見ていなかった。または夢を見た端から忘れてしまった
私は何者かに殺されることになった。椅子が立ち並び、大勢の人が
私は倒れ、それを突き付けられ、
「ね、死のう」
それだけ言っていた。
そこに宥めすかす女が現れる。頼むからこの場では、私が何かを言
そうして無事帰路につき、眠りにつく。
しばらくして、目の前が小さな光で照らされ、私は胸の中心を刃物
「アレで終わるわけないよ」
私の体から熱が消えていく。硬直する。
夢の一幕。脈絡はなく、ただただ死を望む意識がそこに現れた。
私は遂に殺された。そんなに望むならと、記憶整理の途上で私は殺
それもまた女の姿をとっていたように思うが、それは何故だろうか
点のように残された女性性が私を殺しにやってきた。人生を終わら
私は誰にも助けてと言えないだろう。
助けて、それは一体何から?
人生の不安から?
人間であることの懐疑から?
ここにある感情は人間を殺せ、世界を破壊しろ、それは自我の破壊
誰が私の善性を担保するというのだ。
誰が私の社会的価値を担保するのか。
それは自分自身である。
私は単に社会性がなく、ギリギリ会社のルールで生かされている労働者である。社会に出たことがないから死のうと。
それは素敵なことですよね。生きているのだから、死のうと思う。前頭葉が壊れていくのを感じている。叫ぶ、体を打ち付ける。この肉体から社会性を失ったものが顔を覗かせている。そいつは私を殺そうとしているのだ。
どうにかして抗わなければ。どうにかして生きなければならない。
死を望む精神それそのものは自らを消してしまいたいが、それは生きたいと思うからなのだ。生きたいのだから、死を望む。消えてしまいたい、頼むから殺してくれ。
これらは全て今の生きている状態が嫌なだけであって、別の状態におくことが出来ればそうならない。それを分かって、私はまだここで生かされ続けている。他の人間達はそんなことを一瞬たりとも考えたことはないか、そんな些末時に関わる暇がない。
私は社会の些末時である。
そこから這い出たものが価値を生み出すことはなく、
ただぬめりだけを残す。
今日も殺してくれるよう、私は望む。