Katsute_no_kigouのブログ

弱さの発露として世界を語ろう。それが遺書である。

人間の世界と私の構造は常に重ね合わされる。

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消え去る前の小話

 こんばんはという言葉が明日に繋がらなかったのだ。二者択一により私はなにかを最初に選んだ。それらは循環を手繰り寄せる為だったかそれらは恐らく流れにより選択された。私の意識意志意義等々の苦しみから解放されたのは恐らくずっと前でそうしてそれきりだ。胎動はこんばんはと聞こえるざぁざぁああと点けっぱなしのテレビは見知らぬ親密なものたちで呼ばれたのは名前だったがそれらは私ではない。ただまともに生きようとしたがまともとは何か分からない。明確な指示は私事のように冷たく他人事であるために私は明日に繋がらなかった。だからおはようございますを言えなかった自己紹介を出来なかったそれらは誰かの意図で誰かのなにかに乗った私でないものの上を滑りそれらが積み上げられ泣いたふり物語という嘘を片手に他人を誤魔化そうと誤魔化せぬ言葉ばかりをその上を滑らせる。教えてくださいが言えないのだ助けてくださいが言えないのだただその場で餓死するのだ。餓鬼だから排泄物を愛そうと愛せない人間は愛さないのではないただ愛せないからそれは孤独でそれが一番さみしい。それを知っているだろうかそれともそんなことすら分からず愛しているのだろうか愛せない。だから小さな文章で誰にも届かぬ愛しているを残している。こんばんはという言葉が明日に繋がらなかったからここに生きているよと存在しているのは無であり意識の外側は無であり人生は全て脳の選択の積み重ねでそれらが築き上げた無常の開口部に身を投じる。

 こんにちはという前に殴られた。こんにちはと言ってはいけないよ、それは殴っていい合図なんだよしっかりこちらを見てね。この勉強は意味のある行為ですかそんなことは関係なくただやるのだ。スコアを見ろスコアを見ろスコアを見ろスコアで見られろ殴られろとわんわんと耳鳴りがして頭をぶつけた時に生じるメロンソーダが嫌いじゃないからMRIでカンカンと鳴らしていく。居場所はなかった。生きていい場所じゃなかった。ずっと眠りについていたかったが滑るものの幾つかがその面に刺さりその内奥に向けて進行を続けている。続かなければよかったのにそれらは循環だから続くより他ない。続けられるより続けろと言う。肉体が喋る。生かせそれだけだ。心の中で心なんてないよと言ってみれば心の中で心なんてないよが木霊して言霊になるからと独り言は止められた。ずっと一人でいるのはどうしてなんですか友達と遊ばないのはなんでなんですかそうした所から自我は発達した。打ち込まれたものを抜き除こうとした。こんにちは。殴られて更に深く深く突き刺さる。

 友人は幾人かいたのだろう。人を愛した経験はないからさみしいのだと他人が言っていたから私はさみしいのかさみしいとはなにか消えてしまいたいこの社会よ私を殺せと叫ぶのと等価だろうかなあ聞けよ誰も聞かないコンサートホールでこつんこつんと私は私を鳴らしていた。さみしいが分からず私は恋愛というものを知らない。肌感覚で理解できないそれらは性欲だけでありその目が不審な個体として私を端に追いやる。ああその目を潰せ何故女を目で追う何故人間を目で追う何故嫌な人間を目で追うそれらは全て怖いからなのだろう。怖いから従わなければならないが私の内奥にうずもれてそれらを引き上げてくれない。そんな糞みたいな恐怖はもうないんだから何も恐れることはない。恐れる必要なんかないのだ。どうせ等しく死に晒す。見下し嘲笑軽蔑差別幕無しのべつ幕なし喚き掃き掃除のピンボール私達人間なのだから何も恐れるものはない。いずれの死を考え今を楽しめ楽しめ楽しくないつまらないさて死んでしまえを持ち出したとしてそれらは自殺配信をした少女の映像から切り替わることはない。特急列車でドアノブでODでアームカットで髭剃りで殺人で殺害で投身で埃を見せてチェーンソーで自身の首を切り落とせ冬の富士山で滑落したがステージ4だから遅かれ早かれ高速で転がり落ちる物体は丸くなるんだ。様々<腕や脚>な凹凸は滑らかに擦り落され頭部だけが転がって胴体がタイヤのようで転がり続ける。誰も止めないから死とはそういうものでその数日前に見た人には意識があったが今は意識がなく眠ったようだどこへ意識は? どうしようもなく死は普通に現れて去って行くここら辺では死の臭いも色気もなくそれらは隠され簒奪され私達の権利は取り外され人間らしさとは何かそれは生きることそれは死ぬことではない人生をやれそれだけが私達を私達足らしめる。至れば七十二人の処女か永劫回帰の神と狂乱したニーチェだろうか神はそういった所にしかいないからそれは常に石ころ=神を導き出す。脂肪で包んだ骨を渋々受け取ったのだ人間が肉を食べられるために土塊に混ぜられた血が私達であり、私達は神から生まれ作られそうして太陽の下に潰える。故に太陽賛美とは神のその上に立つ。神とは人類が模した石ころの容でありダビデ象のようなものでそれらを彫刻するのが私達なのだから石ころ信仰が世界にはそこら中に現れその中で下劣なものはこの資本経済に与した信仰というものだ。これは神=金を導き出しそれらはただ流れ失われ蒙昧の流れの中で回り続ける。アプリを起動するだけでマイナーコインをマイニングするような株取引のような楽して儲けよ設けよさすれば救われん。そんなわけがあるまい。救いなど人間は欲していない。それこそは死と同義なのだ救いなど石ころの下に圧縮されるシーシュポスだろうに。

 愛せないのだから愛さないのではなく愛せない為に焼け焦げた私の体知識意識様々な思考の数々に組み付いた過去の都合よく改変された記憶と甘美な経験などないというひねくれた人形遊びの残滓がここにある。私はその残滓の一つで私はその残滓としてなにものでもないただ太陽に焼き焦がされる石に潰される人生の残余で習慣だそれで生きている単なる生物である人間は素晴らしいあなたは素晴らしい。

 宿題は、忘れた。

世界観と構造代謝の最中に消えゆく灯火